ビルやマンションには排水を貯めておく排水槽があります。ただでさえ汚水が溜まる場所なので、定期的な排水槽の点検・メンテナンスは必須です。排水槽の清掃は法律で定められた期間内に定期的な点検が必要ですし、放置しておくと様々なトラブルに発展します。
そこで今回は、排水槽清掃の基本的な知識や清掃頻度、会社に依頼する場合の料金相場をまとめました。ビルやマンションを管理していて、排水槽清掃に関して知りたい人はぜひ参考にしてみてください。
このページの目次
1.排水槽とは
まずは、排水槽がどういったものなのか解説します。排水槽とは、生活で出た排水を一旦貯めておく場所のことです。排水は直接下水に流されるわけではなく、一旦排水槽に溜められた後にポンプによって下水に流されます。
排水槽は細かく分類すると5つの種類に分けられます。トイレの排水を溜めておく汚水槽。洗面所や浴室からの排水を溜めておく雑排水槽。雨水を溜めておく雨水槽。地下から浸透してきた水を溜めておく湧水槽。そして雑排水槽と汚水槽が一緒になった合併槽の5つです。
排水槽に溜められた水が何らかの原因で排出されないままになると、硫化水素が発生し、異臭が起こります。害虫も増えてしまい、利用者や住民からのトラブルが多発してしまうでしょう。最悪の場合は汚水が逆流してしまうことも考えられます。
2.排水槽清掃の基本
排水を溜めるのが役割なこともあり、排水槽は自然に汚くなりやすいでしょう。そんな排水槽清掃には国で清掃の頻度が定められています。まずは排水槽清掃の基本的な部分から解説していきます。
2-1.排水槽の汚れの原因
排水槽には、様々な汚水が集まります。定期的に下水道に排出するとは言え、普段汚水を溜めておく設備なだけあって自然と汚れていきます。特に油脂類が流れ込むことでポンプは詰まりやすくなり、汚れが蓄積しやすくなるでしょう。
2-2.排水槽清掃の頻度
排水槽清掃は、建築物衛生法によって半年に1回の清掃が義務づけられています。東京都の場合は他県とは異なり、4ヵ月に1回を指導しています。
排水槽が汚れて悪臭によるトラブルの発生や害虫の増加、排水ポンプの故障による汚水の逆流を防ぐためにも定期点検を徹底しましょう。
2-3.排水槽清掃の清掃箇所と手順
排水槽は細かく5つに分類できますが、清掃を依頼した場合は全ての排水槽の清掃を行います。まずは汚水をポンプで抜き、壁の汚れを落とします。高圧洗浄機で泥や汚水を落としていき、再び汚水をポンプで吸引したら清掃完了です。
3.排水槽清掃の料金相場
排水槽清掃の料金相場をまとめました。
合併槽と雑排水槽・汚水槽の同時清掃かどうかで料金は大きく変わります。
3-1.表で見る料金相場
汚水槽清掃 | 料金 |
5m³以下 | 60,000円 |
10m³以下 | 66,000円 |
15m³以下 | 72,000円 |
20m³以下 | 78,000円 |
25m³以下 | 90,000円 |
30m³以下 | 102,000円 |
35m³以下 | 114,000円 |
40m³以下 | 126,000円 |
雑排水槽清掃 | 料金 |
5m³以下 | 72,000円 |
10m³以下 | 80,000円 |
15m³以下 | 85,000円 |
20m³以下 | 110,000円 |
25m³以下 | 125,000円 |
30m³以下 | 140,000円 |
35m³以下 | 155,000円 |
40m³以下 | 170,000円 |
2槽同時清掃 | 料金 |
合計10m³以下 | 130,000円 |
合計20m³以下 | 143,000円 |
合計30m³以下 | 154,000円 |
合計40m³以下 | 181,000円 |
合計50m³以下 | 206,000円 |
合計60m³以下 | 232,000円 |
合計70m³以下 | 258,000円 |
合計80m³以下 | 284,000円 |
3-2.料金を抑えるコツ
排水槽清掃は、特殊な吸引車を使って行われる大掛かりな工事だけあって、そう簡単には値引きが効くことはありません。地域掲示板から気軽に依頼できるものでもないでしょう。
年間での施工回数が少ないこともあり、年単位の契約をしたところで安く契約できる見込みは少なくなります。
料金を抑えたいと考えているのであれば、なるべく多くの排水槽清掃に対応している会社に見積もりを出してもらって、一番安い会社に依頼しましょう。
4.排水槽清掃を会社にお願いする時の選ぶポイント
排水槽清掃を会社に依頼する場合の会社選びのポイントをまとめました。排水槽清掃に対応している会社は多くはないですが、定期的に清掃が必要になれば長い付き合いになります。慎重に選びましょう。
4-1.実績があること
最も安心して排水槽清掃を任せられるのは、やはり運営実績があって、排水槽清掃に特化した会社でしょう。老舗で多数の実績を持つ会社を選べば清掃の質が高く、汚物が飛散するトラブルが起こる可能性は低くなります。
4-2.ホームページで清掃の手順や必要性をわかりやすく解説している
排水槽清掃となると、イメージが付きにくい人も多いでしょう。そんな人のために、優良な会社ではホームページ内に清掃の手順や清掃前・後の変化が載せられています。丁寧にホームページが作られている会社は、仕事も丁寧で長い付き合いになれる可能性も高くなります。
今や集客の多くはネット経由が主流です。ホームページに予算をかけていて、細かい説明をしている丁寧な会社を選びましょう。
4-3.料金の目安や相場を公開している
排水槽や汚水槽の清掃は、おおよその料金を載せている会社と載せていない会社で分かれます。料金を公開している会社の方が確実に安く利用できるとは言い切れませんが、安心して見積もり依頼をしやすくなるでしょう。
4-4.現地での見積もり調査を行う
排水槽清掃では、多くの会社で現地見積もりを行います。これは、排水槽の大きさや数を確認するためです。特に排水槽の大きさは、管理側が把握しているケースが少なく、正確な見積もり料金を出すためには現地での調査が必須になります。
多くの会社が電話やメールでの問い合わせに対応していますが、見積もり調査をした上で料金を確定させる業者に依頼しましょう。
4-5.対応エリアを確認し、なるべく近い会社を選ぶ
排水槽清掃の会社は対応範囲が広く、隣接した県であれば問題なく依頼できることがほとんどです。ただ、会社側からしても交通費からガソリン代まで、経費を少なくできるに越したことはありません。
遠方からの清掃依頼では、出張費がかかって多く予算が必要になる場合があります。なるべくなら近隣の会社に依頼しましょう。その方が費用が安く済む可能性が高くなります。
4-6.電話での対応が丁寧
排水槽清掃の会社に電話した際、電話対応の雰囲気をチェックしておきましょう。電話対応が丁寧であれば、清掃の仕事も丁寧に対応してもらえる可能性が高いからです。
メールで問い合わせした場合でも、後に電話がかかってくることが大半なので、複数の会社に見積もりを出す場合は電話の様子をメモしておきましょう。
5.まとめ
今回は、排水槽清掃に関して、必要性や料金相場、清掃の頻度まで詳しく解説しました。排水槽の清掃は、法で義務付けられており、半年に1回、東京の場合は4ヵ月に1回の清掃が必要になります。
異臭や害虫発生を防ぎ、快適な暮らしを維持するためにも長く付き合える清掃会社を見つけましょう。